Center for Community Medicine, Faculty of Medicine, Oita University

 

地域医療セミナー in 佐伯

 

         

『地域医療セミナー in 佐伯』

20143月16日~17

      

 

 今年で3回目となります地域医療セミナーを佐伯市で開催しました。当セミナーは毎年大分県地域医療支援センターと大分大学医学部地域医療学センターとの共催で実施しております。大分大学医学部の使命の一つには大分県の皆様に対する医療貢献があります。医学部の学生は5年次生になるとカリキュラム化された2週間の地域医療実習が行われますが、それ以外で地域中核病院にて行われている一般的な医療や福祉、その現状や問題点を学ぶ機会はほとんどないのが現状です。大分の地域に訪問・滞在し、地域の食や文化に浸りながら体験する医療は、学生さんにとって良い経験として身に付くことと思います。さらにそれはどんな場所で医療者になっても、必ず生かされてくるものと確信しております。
 

 さて、春休み初日にもかかわらず1年生が2名、2年生3名、3年生9名、4年生3名の合計17名の学生さんが参加してくれました。学年の垣根を越えて一緒に実習するというスタイルは他ではあまりなく、他学年との交流や繋がりがもてて斬新ではなかったかと思います。
 

 一日目、お昼からバスを貸し切り佐伯市へ出発しました。バス車内ではマイナートラブルの発生はありましたが(笑)、なんとか無事に目的地まで到着しました。県南の風土に触れるべく佐伯市よりさらに東部の米水津へ足を延ばし、『なずなの塩』の工場見学を行いました。周囲の原生林を伝い豊後水道へと流れ出た水分をくみ上げると、最高の塩へと変化するそうです。晴天にも恵まれて気持ちの良い見学となりました。そのあとは佐伯市に戻り『歴史と文学の道』を地元ガイドさんに協力いただいき散策しました。ガイドさんからふいに飛び出るジョークに耳を傾けながら悠久の歴史を探訪しました。
  

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 佐伯ロマンにすっかり陶酔した状態で16時からはワークショップを行いました。まず佐伯市長の西嶋泰義様より佐伯市の概略・医療現状について講話をいただき、大分県医師会長の井上雅公先生からは地域の病院で医療をすることの魅力についてお話いただきました。
 
 それから、ワールドカフェ形式でワークショップを行いました。それはテーブルを数名で囲んでカフェテリアで談笑しているかのような錯覚を憶えるディスカッションスタイルです。どんなに偉い人に対しても「◯◯さん」と呼び、忌憚ない意見交換をしてもらいました。医療スタッフも一緒にテーブルに参加していただき、医療者の心得から佐伯市の魅力に至るまでさまざまなテーマについて話し合っていただきました。医学部での日々の勉学に追われる状態であれば、これまでほとんど考えてくることもなかった佐伯医療の問題点、佐伯市の魅力やそこで医療をすることがとても身近に感じ取れたのではないかと思います。
 

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 佐伯市の皆さまに温かく迎えていただき、夕方からは懇親会/情報交換会が行われました。市長や佐伯の医療スタッフの方々と新鮮な魚料理を囲んで、笑顔の絶えない交流会となりました。
 
 二日目、月曜日は朝から2名ずつグループに分かれて南海医療センター(旧:南海病院)と杉谷診療所で実習を行いました。前日の意見交換会で膨らんだ佐伯医療のイメージをその目で確かめてもらいました。学生さんはインタビューテーマを携帯して、医療スタッフや患者さんへ簡単な質問をしてもらいました。お昼休憩の後は実習で得たものをそれぞれがシェアすべく、意見交換・情報共有してもらいました。
 
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 医師の卵たちにとって、こういった取り組みへの参加は必ず貴重な財産となり、今後の医療に対する視野を広げ、日々の学習のモチベーションアップにも繋がってゆくことと期待します。そして休日にもかかわらず佐伯市や南海医療センター、杉谷診療所をはじめ、長門記念病院、佐伯中央病院、南部保健所、佐伯市保健福祉センターなど、多くの方々に支えられ無事に地域医療セミナーを終了することができました。ご協力いただいた皆さまには重ねて心より感謝を申し上げます。また、このたびプランニングからご指導を賜り、ご尽力戴きました南海医療センター副院長、高倉健先生に深謝申し上げます。本当にありがとうございました。       

(文責) 石井稔浩